2002年から10年間、「ゆとり教育」の名の元に「完全週休2日制」「学習内容の3割削減」が続き、「学びの時間」が減少、「学びからの逃避」傾向が教育の現場を支配してきました。その期間、社会的な風潮として「競争すること」や「学習すること」があたかも悪いことのように語られ、一方で、「自由」や「個性」を主張する割には、皆と同じでないと不安になるという悪しき平等観が居座っていました。
そして2012年、新学習指導要領が施行され、「ゆとり」以前の学習内容が復活しました。しかし、「ゆとり」の悪弊は予想以上に大きな陰を投げかけ、意識が変わらないまま内容だけが難しくなり、教育の現場は混乱を来している状況です。新学習指導要領が掲げていることと教育の現場で起きていることには大きな乖離が見られ、その差が埋まるには最低でも5年は要するであろうと囁かれています。「失われた10年」はあまりに大きな負の遺産を置いていきました。
これからますます国際化・情報化社会が発展するに伴い、より高度な学習能力や知力、独創性が必要不可欠になることは自明の理です。また、子どもたちには、たくさんの知識を習得していく過程で得られる喜びがあり、それがのちの学習に対する興味・関心につながっていくことも然りです。「そうか。」「これはおもしろい。」という発見や驚きが、将来の夢・進路・希望を実現させる原動力になることは、いつの時代でも不変の真理です。
論語に曰く。『学ぶ』とは、好奇心によって外部から知識を取り入れても、その段階では自分自身のものにはなっておらず、そればかりか、その知識に振り回されている状態。従ってその知識を機会あるごとに復習し、練習をして真に自身の知識として身に付ける作業『習う』をもって『学習』と定義しています。(因みに「勉強」は『学習』の過程を経ず、多くのことを聞いて回り、その中から良さそうなものを選択し、それに従う。多くのものを見て回り、これを覚えておき知識を得たフリをすること、と定義)
だからこそ、EXEでは将来を担う子どもたちには「学ぶべき時期」に「学ぶべきこと」を『学習』の王道を通して、自ら考え、判断し、解決する力を養って欲しいと思っています。奇をてらったインスタントな、つまり、むやみに膨大な問題を解いて対処するような「勉強」ではなく、腰を据えた、将来に亘り役立つ学習スタイルの確立を目指して欲しい、と願っています。私たちは、それが真の「個性」を育むことに繋がると信じてやみません。
そのためには私たちEXE自身も、多感で成長の著しい子どもたちの「可能性」「未来」を切り開ける「特別な場所」としてあり続ける努力をしていきたいと思います。
こうした現状を踏まえ、開塾以来の目的である地域の学力向上に役立ち、自らの手で「夢」を選び、実現する力を兼ね備えた子どもたちの育成を今後も目指していきたいと考えています。